建売住宅は「完成品を見てから買える」という安心感がありますが、実は避けるべき物件も少なくありません。
外観は綺麗でも、施工・立地・資産価値に大きなリスクを抱えているケースがあります。
私は宅建士・建築士・土木施工管理技士として、パワービルダーから大手デベロッパーまで30年間で数百棟の建売住宅に関わってきました。
今回はその経験から、「買ってはいけない建売住宅」の特徴と、内覧時にできる確認方法をセットでお伝えします。
目次
基礎・構造に明らかな欠陥がある

基礎のNG例
- コンクリートに大きなジャンカ(欠け・穴)がある
- クラック幅が0.3mm以上
- 鉄筋のかぶり厚不足が見える
💡 現場経験談
基礎の鉄筋不足が引き渡し前に発覚し、全面やり直しになった例もあります。
基礎の確認方法(内覧時にできるチェック)
- 床下点検口から基礎内部をライトで確認
- 基礎幅・高さをメジャーで測定
- クラック幅はカードやコインで簡易測定
断熱・気密性能が低い

要注意サイン
- アルミ単板サッシ
- 断熱材がたるんでいる、隙間がある
- 天井裏や床下に断熱欠落
断熱の確認方法
- 床下・天井裏の断熱材を目視
- 冬の内覧なら外気との温度差を感じ取る
- 窓ガラスにLow-E刻印があるか確認
地盤や立地にリスクがある

避けるべき条件
- 浸水・液状化・土砂災害警戒区域
- 前面道路が狭すぎる
- 擁壁の劣化
地盤・立地の確認方法
- 関連記事:良い建売住宅の見分け方5つのポイント で詳しく解説
- ハザードマップで該当地域を確認
- 地盤調査報告書を必ず取り寄せ
→ 地盤や立地の見極め方は、【プロ直伝】良い建売住宅の見分け方5つのポイントで詳しく解説しています。
間取りが暮らしにくい

失敗例
- 洗濯機から物干しまで遠い
- 採光・通風が不足
- 収納が延床面積の10%未満
H3-2:回避する方法
購入前に間取り診断サービスを利用すれば、暮らしやすさを数値化できます。
→ 無料診断後、改善提案も受けられるため、購入判断がしやすくなります。
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アフターサービスや施工体制が不明確

チェックポイント
- 定期点検回数・範囲が明記されていない
- 現場監督が不在
アフターサービスの確認方法
- 契約前に「保証書・定期点検スケジュール」を提示してもらう
- 無償保証の範囲・期間を確認(構造10年、防水10年など)
極端に価格が安い

考えられる理由
- 材料・施工のコストカット
- 立地や地盤リスク
- 在庫処分
H3-2:価格の裏側を見抜くチェックリスト
- 周辺相場と比較
- 建築確認申請図と現況を照合
- 工事写真記録を見せてもらう
売主・施工会社の評判が悪い

こんな売主・施工会社は危険
- 苦情や裁判歴が多い
- 完成現場の品質が不均一
- 契約を急がせる
良い売主・施工会社の見つけ方
- 完成現場を複数見学
- 第三者評価(住宅性能表示制度など)を確認
- 担当者の説明が丁寧で透明性がある
まとめ
買ってはいけない建売住宅は、基礎・断熱・地盤・間取り・施工体制・価格・会社の信頼性のいずれかに大きな問題があります。
この記事を参考に、危険な物件を見抜き、10年後も満足できる家を手に入れましょう。