いろいろな人からZEHを勧められるんですが
条件がイマイチ理解できなくて困ってます・・・。
承知いたしました!
ZEH概要を、画像を沢山使用して
できるだけ分かりやすく説明したいと思います!
本記事を読むと「ZEHの定義」と「ZEHの種類」が理解できます!
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の定義
2015年12月17日に、経産省のZEHロードマップ検討委員会にてとりまとめられた「ZEHロードマップ」において、「ZEHは、快適な室内環境を保ちながら、「住宅の高断熱化」と「高効率設備」によりできる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味(ネット)で概ねゼロ以下となる住宅」と定義されています。
具体的には下記の「3つの基準」を満たす必要があります。
① 高断熱化
・高断熱化の基準は、外皮性能として「UA値」と「ηAC値」により構成され、いずれも、地域区分別に規定されている基準値以下となることが必要です。
・地域区分6(東京等)ではUA値を
0.6以下にする必要があります。
・UA値は断熱材やサッシの性能をあげることにより、優れた数値を得ることができます。(数値が小さいほど優れた性能となります。)
*以下、本記事のUA値は東京等エリアの0.6を基準として解説していきます。
② 設備等の高効率化
・太陽光発電など、創エネルギーを除いた設備で、
一次エネルギー消費量を20%削減。
・高性能な給湯器・エアコンの設置やLED照明を使用するなど、エネルギー高効率化設備を導入必要があります。
③ 創エネルギー
・太陽光発電など創エネルギー設備を設置し、② (設備等の高効率化)数値と合わせて、
一次エネルギー消費量を100%削減。
・創エネルギー設備には種類がありますが、太陽光パネルの設置が一般的です。
ZEHの種類
「ZEH」には他、下記の種類があります。
「ZEH」適合条件が緩和された。
- 「ZEH Oriented」(ゼッチ オリエンテッド)都心部で太陽光パネルの設置が難しい狭小地むけ。
- 「Nearly ZEH」(ニアリー ゼッチ)自然条件で創エネが難しい「寒冷地」「低日射地域」「多雪地域」むけ。
「ZEH」適合条件が厳しい。
- 「ZEH +」(ゼッチ プラス)ZEH性能をさらに高めた。
- 「Nearly ZEH +」(ニアリー ゼッチ プラス)ZEH性能を高めつつ、自然条件で創エネが難しい「寒冷地」「低日射地域」「多雪地域」むけ。
つづいて各種類ごとの詳細を解説します!
ZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド)
基準項目 | ZEH | ZEH Oriented (ゼッチ オリエンテッド) | 比較結果 |
---|---|---|---|
UA値 | 0.6以下 | 0.6以下 | 同等 |
一次エネルギー消費量の削減基準 | 20%削減 | 20%削減 | 同等 |
一次エネと創エネ 合計の削減基準 | 100%削減 | なし | 緩い |
太陽光(創エネ)設置 | 必要 | 不要 | 緩い |
ZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド)は、断熱性能と一次エネルギー消費量削減数値は「ZEH」と同じですが、「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率:再生エネルギーを導入しなくてもいいと言う特徴があります。
条件が合えば、一番コストをかけずに補助金制度などの恩恵を受けれます。
条件は、都市部狭小地の二階建て以上及び多雪地域。
*都市部狭小地(北側斜線制限の対象となる用途地域当(第一種及び第二種低層住宅専用地域並びに第一種及び第二種中高層専用地域)等であって敷地面積が85m2未満である土地。但し、住宅が平屋建ての場合は除く)に建築された住宅に限る。
Nearly ZEH(ニアリー ゼッチ)
基準項目 | ZEH | Nearly ZEH (ニアリー ゼッチ) | 比較結果 |
---|---|---|---|
UA値 | 0.6以下 | 0.6以下 | 同等 |
一次エネルギー消費量の削減基準 | 20%削減 | 20%削減 | 同等 |
一次エネと創エネ 合計の削減基準 | 100%削減 | 75%以上 | 緩い |
太陽光(創エネ)設置 | 必要 | 必要 | 同等 |
Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)は、気象条件の制約等により、「ZEH」の数値達成が困難な場合に適用できます。
こちらも断熱性能と一次エネルギー消費量削減数値は「ZEH」と同じで、太陽光パネルの設置は必要になりますが、「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む一次エネルギー消費量削減率を75%以上、100%未満と抑えることができます。
*気象条件の制約の具体的なエリアは、寒冷地、低日射地域、多雪地域になります。
寒冷地(地域区分1又は2地域)
低日射地域(日射区分が A1 又は A2 の地域)
多雪地域(垂直積雪量 100cm 以上)
別表1 市町村の区域に応じた垂直積雪量(d)(本告示第474号の別表を基に、都道府県単位に整理して表記)
上記エリアに当てはまる地域で住宅を建てられる場合は、Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)が使用できます。
ここからは「ZEH」の上位種類を解説します。
実現するには手間と費用がかかります。
ZEH +(ゼッチ プラス)
基準項目 | ZEH | ZEH +(ゼッチ プラス) | 比較結果 |
---|---|---|---|
UA値 | 0.6以下 | 0.5以下 | 厳しい |
一次エネルギー消費量の削減基準 | 20%削減 | 25%削減 | 厳しい |
一次エネと創エネ 合計の削減基準 | 100%削減 | 100%削減 | 同等 |
太陽光(創エネ)設置 | 必要 | 必要 | 同等 |
ZEH+(ゼッチプラス)は、ZEH基準より条件が厳しく「高断熱化」と「省エネ」による一次エネルギー消費量削減率が25%以上と、ZEH基準よりさらに5%以上削減する必要があります。
さらに以下の(a)~(c)より2項目以上をクリアが必要です。
(a)断熱性能の更なる強化。
(b)HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能。
(c)太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能。
当然「創エネ」(再生可能エネルギー)の設置は必要で、創エネ含む一次エネルギー消費量削減率は100%以上です。
Nearly ZEH +(ニアリー ゼッチ プラス)
基準項目 | ZEH | Nearly ZEH + (ニアリー ゼッチ プラス) | 比較結果 |
---|---|---|---|
UA値 | 0.6以下 | 0.5以下 | 厳しい |
一次エネルギー消費量の削減基準 | 20%削減 | 25%削減 | 厳しい |
一次エネと創エネ 合計の削減基準 | 100%削減 | 75%以上 | 緩い |
太陽光(創エネ)設置 | 必要 | 必要 | 同等 |
Nearly ZEH +(ニアリー ゼッチ プラス)は、ZEH+条件が少し緩和されており、「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む一次エネルギー消費量削減率を75%以上100未満に抑えることができます。
その他の条件はZEH+と同等です!
「断熱」+「省エネ」による一次エネルギー消費量削減率:25%以上
さらに以下の(a)~(c)より2項目以上をクリア
(a)断熱性能の更なる強化
(b)HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能
(c)太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能
対象エリアは寒冷地、低日射地域、多雪地域に限ります。
(※Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)の解説をご参考ください。)
まとめ
以上、ZEHの概要と種類を書かせていただきました。
わたしが理解するまでは苦労したのは、一次エネルギー消費量削減率の考え方でした。
エネルギー高効率化設備(給湯器・エアコンなど)などで20%以上「エネルギー削減」(ZEH+等は25%)をクリアした上で、残りの80%を太陽光パネルなどの「エネルギーを創る」設備でエネルギー消費量「0」に持っていく考え方がポイントだと思います。
今回の記事が少しでも、戸建てを建築する人のお役に立てたら幸いです。
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