注文住宅の断熱工法|【充填断熱】と【外張断熱】の違いとは?

注文住宅を検討する際に、断熱工法は重要なポイントの一つです。

断熱工法には「充填断熱」と「外張断熱」の2種類がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

目次

充填断熱と外張断熱の違い

注文住宅の断熱工法には、充填断熱と外張断熱の2種類があります。

両者の違いは、断熱材を設置する場所です。

項目充填断熱外張断熱
断熱材の設置場所柱や梁などの構造材の間に充填する壁や屋根の外側に張り付ける
断熱性能断熱材の厚みが限られるため、外張断熱に劣る断熱材の厚みを自由に調整できるため、高気密・高断熱な住宅を実現できる
施工方法構造材の間に断熱材を充填する壁や屋根の外側に断熱材を張り付ける
施工期間工期が短い工期が長い
コストコストが安いコストが高い
結露・カビの発生構造材の接合部に熱橋が発生する可能性があるため、結露やカビの発生リスクがある結露やカビの発生を抑える効果がある
外壁のデザイン性外壁のデザイン性を損なう可能性がある外壁のデザイン性に影響を与えない
外壁の耐久性外壁の耐久性には影響を与えない外壁の耐久性に影響を与えない
断熱材の寿命構造材の寿命に準じる断熱材の寿命は、外壁の寿命に準じる
リフォームの際の断熱材の交換外壁を張り替える際には、断熱材も一緒に交換する必要がある外壁を張り替える際には、断熱材も一緒に交換する必要がある
充填断熱と外張断熱の違い

「充填断熱」と「外張断熱」の違いは、以下にまとめることができます。

  • 断熱性能
    • 断熱材の設置場所が異なるため、断熱性能にも差があります。「充填断熱」は、断熱材の厚みが限られるため、「外張断熱」に劣ります。
  • 施工方法
    • 施工方法も異なります。「充填断熱」は、構造材の間に断熱材を充填するため、工期が短く、コストが安くなります。「外張断熱」は、壁や屋根の外側に断熱材を張り付けるため、工期が長く、コストが高くなります。
  • その他
    • 結露・カビの発生、外壁のデザイン性、外壁の耐久性、断熱材の寿命、リフォームの際の断熱材の交換など、「充填断熱」と「外張断熱」には、さまざまな違いがあります。

充填断熱のメリット・デメリット

充填断熱は、柱や梁などの構造材の間に断熱材を充填する工法です。

引用:住宅省エネルギー技術講習テキストより

メリット

  • 施工が簡単で工期が短い
  • コストが安い
  • 柱や梁の断熱性能を高められる

デメリット

  • 断熱材の厚みが限られる
  • 断熱性能が外張断熱に劣る
  • 構造材の接合部に熱橋が発生する可能性がある

充填断熱のメリット

  1. 施工が簡単で工期が短い

充填断熱は、構造材の間に断熱材を充填するだけでよいため、施工が簡単で工期が短くなります。そのため、コストを抑えたい方や、工期を短縮したい方に適しています。

  1. コストが安い

充填断熱は、外張断熱に比べて、断熱材の使用量が少なくて済むため、コストが安くなります。

  1. 柱や梁の断熱性能を高められる

充填断熱は、柱や梁などの構造材にも断熱材を充填するため、構造材の断熱性能を高めることができます。

充填断熱のデメリット

  1. 断熱材の厚みが限られる

充填断熱は、構造材の間に断熱材を充填するため、断熱材の厚みが限られます。そのため、外張断熱に比べて、断熱性能が劣ります。

  1. 断熱性能が外張断熱に劣る

充填断熱は、断熱材の厚みが限られるため、外張断熱に比べて、断熱性能が劣ります。そのため、寒冷地や、冷暖房費を抑えたい方には、外張断熱がおすすめです。

  1. 構造材の接合部に熱橋が発生する可能性がある

充填断熱は、柱や梁などの構造材の間に断熱材を充填するため、構造材の接合部に熱橋が発生する可能性があります。熱橋とは、断熱性が低い部分のことで、熱が伝わりやすい部分です。熱橋が発生すると、断熱性能が低下し、冷暖房費の増加につながる可能性があります。

充填断熱を検討する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 断熱性能を重視する方は、外張断熱を検討しましょう。
  • コストを抑えたい方や、工期を短縮したい方は、充填断熱を検討しましょう。
  • 構造材の接合部に熱橋が発生する可能性を、施工業者に確認しましょう。

安いといったメリットがある一方、断熱性能が「外張断熱」に劣るというデメリットもあります。

「充填断熱」を検討する際には、これらのメリット・デメリットをよく理解し、ご自身の希望や条件に合った断熱工法を選ぶことが大切です。

外張断熱のメリット・デメリット

「外張断熱」は、壁や屋根の外側に断熱材を張り付ける工法です。

引用:住宅省エネルギー技術講習テキストより

メリット

  • 断熱性能が高い
  • 結露やカビの発生を抑える効果がある
  • 外壁のデザイン性や耐久性にも影響を与えない

デメリット

  • 施工が複雑で工期が長い
  • コストが高い
  • 外壁を張り替える際には、断熱材も一緒に交換する必要がある

外張断熱のメリット

  1. 断熱性能が高い

外張断熱は、断熱材を壁や屋根の外側に張り付けるため、断熱材の厚みを自由に調整することができます。そのため、充填断熱に比べて、断熱性能が大幅に向上します。

  1. 結露やカビの発生を抑える効果がある

外張断熱は、断熱材を壁や屋根の外側に張り付けるため、外気温の影響を受けにくくなります。そのため、結露やカビの発生を抑える効果があります。

  1. 外壁のデザイン性や耐久性にも影響を与えない

外張断熱は、断熱材を壁や屋根の外側に張り付けるため、外壁のデザイン性や耐久性にも影響を与えません。そのため、外壁材の種類や色を自由に選ぶことができます。

外張断熱のデメリット

外張断熱のデメリットは、以下の3つです。

  1. 施工が複雑で工期が長い

外張断熱は、壁や屋根の外側に断熱材を張り付けるため、施工が複雑で工期が長くなります。そのため、コストがかさむ可能性があります。

  1. コストが高い

外張断熱は、断熱材の厚みを自由に調整できるため、充填断熱に比べて、コストが高くなります。

  1. 外壁を張り替える際には、断熱材も一緒に交換する必要がある

外張断熱は、断熱材が壁や屋根の外側に張り付けられているため、外壁を張り替える際には、断熱材も一緒に交換する必要があります。そのため、外壁を張り替える際には、追加の費用が必要になる可能性があります。

充填断熱と外張断熱、どちらを選ぶ?

項目充填断熱外張断熱
断熱材の設置場所柱や梁などの構造材の間に充填する壁や屋根の外側に張り付ける
断熱性能断熱材の厚みが限られるため、外張断熱に劣る断熱材の厚みを自由に調整できるため、高断熱・高気密な住宅を実現できる
施工方法構造材の間に断熱材を充填する壁や屋根の外側に断熱材を張り付ける
施工期間工期が短い工期が長い
コストコストが安いコストが高い
結露やカビの発生構造材の接合部に熱橋が発生する可能性がある結露やカビの発生を抑える効果がある
外壁のデザイン性や耐久性外壁のデザイン性を損なう可能性がある外壁のデザイン性や耐久性にも影響を与えない
断熱材の寿命構造材の寿命に準じる断熱材の寿命は、外壁の寿命に準じる
リフォームの際の断熱材の交換外壁を張り替える際には、断熱材も一緒に交換する必要がある外壁を張り替える際には、断熱材も一緒に交換する必要がある
充填断熱と外張断熱の比較表

注文住宅の断熱工法である充填断熱と外張断熱。

どちらを選ぶかは、以下の3つのポイントを検討するとよいでしょう。

  1. 断熱性能

断熱性能を重視する方は、外張断熱がおすすめです。外張断熱は、断熱材の厚みを自由に調整できるため、高断熱・高気密な住宅を実現できます。

  1. コスト

コストを抑えたい方は、「充填断熱」がおすすめです。「充填断熱」は、「外張断熱」に比べて、断熱材の使用量が少なくて済むため、コストを抑えることができます。

  1. 外壁のデザイン性や耐久性

外壁のデザイン性や耐久性を重視する方は、「外張断熱」がおすすめです。「外張断熱」は、断熱材を壁や屋根の外側に張り付けるため、外壁のデザイン性や耐久性にも影響を与えません。

充填断熱と外張断熱には、それぞれにメリットとデメリットがあります。充填断熱のデメリットは、断熱性能が外張断熱に劣ること、構造材の接合部に熱橋が発生する可能性があることです。外張断熱のデメリットは、施工が複雑で工期が長いこと、コストが高いこと、外壁を張り替える際には断熱材も一緒に交換する必要があることです。

充填断熱と外張断熱のどちらを選ぶかは、上記の3つのポイントを検討し、ご自身の希望や条件に合った断熱工法を選ぶことが大切です。

まとめ

断熱工法は、住まいの快適さやエネルギー効率を大きく左右します。

【充填断熱工法】と【外張断熱工法】それぞれには特長やメリット・デメリットがあります。

注文住宅を検討する際は、自分のライフスタイルや予算、住む地域の気候などを考慮して、最適な断熱工法を選ぶことが大切です。

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